ハイクオリティな透析治療を提供するにあたって、「水の清浄化」はとても重要です。当院は自然に恵まれた環境であり地下約150mで自噴する地下水を逆浸透装置(RO装置)で清浄化して、透析液原水としています。
通常であればこのままでも透析液として十分使用できるレベルの水ですが、当院ではさらに透析室でRO装置を通して、ウルトラクリーンな透析液原水を透析液作成に用いて患者さんの治療に使用しております。
清浄化レベルの高い透析液で透析すると、透析治療の効果がいいのはもちろん、肌の黒ずみや肌ツヤの劣化を抑える効果があると言われております。

院長の思い

透析の水へのこだわりは、全ての患者さんに対して常に最高水準の透析治療を目指し実践してきた名誉院長である父、松山家昌から継承したものです。
透析に使用される水は、限りなくウルトラクリーンでなければなりません。当院は、自然に恵まれた霊山(りょうぜん)の麓に位置しており、地下約150mで自噴する高純度の地下水を逆浸透膜し原水としています。この段階で市水とは比較にならないほど低いエンドトキシンレベルを達成することができました。さらに、透析専用水タンクから透析室内逆浸透膜に直結処理していくダブル逆浸透膜システムから作成された透析液の清浄度はオンラインHDFを行う条件となるISO国際標準化機構が定めた補充用透析液の水質基準を満たしています。

1985年頃より長期透析の合併症として「透析アミロイドーシス」が問題となり、ハイパフォーマンス膜ダイアライザーが開発され使用可能となりました。究極の透析治療を探究していく過程で、1987年に置換液補充を使用しないHDF方式に着目し、当時の初代技士長であった小野信行が、プッシュプルHDF装置を独自に開発しました。

当院は、透析治療が必要となった全ての患者さんに対して、これまでの蓄積から得られた克服すべき課題を解決し、限りなく合併症を抑制し、無愁訴を目指した治療へ進化できるように日々の医療に挑んでおります。

第50回日本人工臓器学会大会にて、平成24年度「代謝系」最優秀論文賞にも選出されました
「Journal of Artificial Organs」臨床研究論文
Acetate-free blood purification can impact improved nutritional status in hemodialysis patients
邦題:アセテートフリー血液浄化法は、血液透析患者の栄養状態改善に影響を及ぼす可能性がある
Kazuhiro Matsuyama, Tadashi Tomo & Jun-ichi Kadota



こだわり

徹底した水質管理

析治療では透析液の水がとても重要です。当院では、最新の水処理システムを導入して、徹底した水質管理を行っています。透析治療は1回あたり約120リットルの透析液を使用し、透析膜(ダイアライザー)を介して血液を浄化しています。この透析液は原水(当院では地下水)を浄化装置により精製し、透析液の原液と混合して作られています。

通常の設備では、この過程においてエンドトキシンが混入されてしまいます。エンドトキシンとは細菌に含まれている毒素で、透析膜を通過して血液中に進入し炎症反応を誘発します。この反応が長期にわたって繰り返されることにより、様々な合併症をひきおこすといわれています。

当院では、いち早く透析液清浄化設備を導入し、原水から透析液が患者さんに供給されるまでの配管を厳重に管理し、透析液のエンドトキシンと細菌を極限まで取り除いています。更にその設備が正常に機能している事を確認するため、エンドトキシン測定装置と細菌検出システムを透析室に設置し、定期的にエンドトキシンと細菌をチェックすることにより、常に安定した超清浄化透析液を供給しています。

こだわり

RO装置(逆浸透装置)

RO装置(逆浸透装置)は、透析液を調製するための透析用水を製造する装置です。
当院では、熱水消毒機能を装備した次世代型RO装置(DCXnano)を導入し、透析液供給システムの上流に位置するRO装置からの清浄化を実施しています。

こだわり

透析液を供給している配管

透析液の配管は透析装置に直接接続される重要な配管です。当院の配管は、対薬品性に優れた特殊テフロンパイプを使用し、配管の接続や屈曲を出来るだけ少なくすることにより、細菌の汚染巣(バイオフィルム)の発生を抑制しています。

こだわり

日本初、過酢酸系洗浄消毒剤を導入

析液供給ラインの洗浄消毒工程は、透析液清浄化の要となります。当院では、日本で初めて過酢酸系洗浄消毒剤を導入し、その有効性を多くの学会や研究会で報告しています。過酢酸系洗浄消毒剤(ヘモクリーン)は、従来の次亜塩素酸と酢酸による洗浄消毒方法では抑制出来ないバイオフィルムを効果的に抑制し、透析液の清浄化に大きく貢献しています。また、洗浄消毒剤では消毒効果が不十分なデッドスペースが存在しますが、その欠点を補うために熱水クエン酸消毒を併用し、高い洗浄性と消毒性を保つシステムを採用しています。

こだわり

地下天然水から精製したクリーンな原水

当院が透析用の原水として使用している水は、地下約150メートルより湧出する地下水を使用し、透析専用の配管で機械室のRO装置へ供給しています。 地下水は、除鉄・除マンガン濾過装置により飲料水の適合レベルまで処理し、さらに淡水化RO装置により精製されていますので、エンドトキシン活性値と生菌数は極めて低いレベルとなっています。また、この精製水は別系統の配管で施設の上水として使用されていますので、施設内の水道は全てRO処理された地下水となっています。